「思い」です。

代表の吉田です。

連日猛暑が続きます。皆様体調管理には十分お気をつけください。さて、弊社の家づくりはできる限り工業製品を使用しない、地域職人の技術を活かした家づくりを行なっております。そんな中、伝統的な職人技術がないとできない仕事の依頼もたまにございます。先日も友人から実家のお母さんの鏡台をどうしても修復したいと依頼されました。東日本大震災で倒れて、鏡が割れ足の部分も損壊がありました。復元するには、なかなかの手間と予算がかかるということを確認したところ、それでもいいのでよろしく頼みます。との了解を得ましたので作業に取り掛かり、先日ようやく納品をさせていただきました。

私自身納品には立ち会えなかったのですが、弊社のスタッフと職人さんで納品に伺いました。その後友人から電話があり、

「いや〜もの凄く喜んでいる。本人曰く、本来はそれほど仕上がりは期待していなかったのだけれど、完成度の高さに本当に驚いている。実は本人が就職して初任給で初めて買った鏡台だったらしく、なんとか復元したいという思いがあって業者を探していたんだよ。本当にあの金額で利益あるのっても言われたよ。」

なるほど、そういう「思い」があったんだな〜と、決して見積もりも安くなかったと思うのですが、お客様の気持ちからするとあの金額は安く感じられたんだなと、お客様にとっては新品を買う以上の価値があるものなんだなと

家づくりや店舗づくりと比べると小さな仕事ですが、その人それぞれに何か、「思い」があってそれを私たちはきちんと受け止め、形にしていかなければならないのだなと強く感じました。

創業当時から日本の伝統職人の技術を残さなかればならないとの強い思いがありました。江戸時代は大工、左官、とびといった職人は華の三職とも言われた時代もありました。そんな最高の伝統技術を残すために職人さんの仕事を増やし、家づくりを通して天然素材や本物の技術を提供する建築を提供することは、暮らしに本当の意味の豊かさを提供することができると信じております。

職人さんの技術がなくても建築できる物件は、いくらでもあります。工業製品や張り物、構造躯体、壁、床、建具全てのものを工場生産し現場で組み立てるだけの仕事でも家は建築できます。

しかし、日本の最高の技術を持った職人がいなければ、先ほどのお客様の鏡台への「思い」を大切に残し叶えることはできません。

そんなお客様の「思い」を形にできる集団でありたいと強く思っております。

今後ともスタッフ共々よろしくお願いします。