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思い通りにならない事
代表の吉田です。
連日の新型コロナ報道もあり、自粛ムードが漂っており、外食産業など様々なところに影響が出ているようです。この文章を書いている今も、少年時代大きな影響を受けた、元ザ・ドリフターズの志村けんさん亡くなったというニュースが流れ大きな衝撃と悲しみを抱きました。その反面多くの皆様が家で過ごす事になり、改めて家の中での過ごし方を見直している方も多いと思います。
ふと、あるお客様の事を思い出しました。以前担当させていただいた、お客様の中にご主人が末期ガンの方が、おられました、本人は自身の病気について理解しており、奥様、息子さんと共に1日でも早く建物を完成させて、新築住宅に家族で住みたいという願いを託されました。打ち合わせにご主人も参加し、たくさんの家に対する思いをお聞きしました。実は、余命宣告の日は家の完成工期をめいいっぱい詰めても間に合う日ではございませんでしたので、1日でも早く完成させようと一所懸命建築させていただいたのを覚えております。しかし、そこから約半年ほど生きられ家づくりにも積極的に参加して頂き、新築住宅に2ヶ月ほど住みお引き渡しした家の寝室で、朝眠るように息を引きとったというお話をご家族からお聞きし、斎場で一緒に涙したのを思い出しました。
私は、正月は神社に初詣し、葬式は仏式で、クリスマスを祝うという典型的な日本人なのですが、約2600年前にお釈迦様が思い通りにならない苦しみを四苦八苦と言ったそうです。四苦、生老病死の四苦に他の4つの苦しみを加え、四苦と四苦で合計八苦に人の苦しみは分解されるらしいのですが、このコロナ騒動で誰でもが、四苦のうちの病死と向き合わなければならなくなりました。そして今、誰にも訪れる病死を受け入れ考えることで、より強く生きることにつながるのではないかと思います。どしたら長生きするか。老化を防ぐか。と同時に死と病を受け入れながらどう生きてどう死んでいくのか。今回のコロナウィルスについても、命のあり方について油断せず、しかし闇雲に恐れず、「正しく受け入れる」という事が大事なのだと思います。
最近強く思うのですが、私たちは死ぬまで日常生活で毎日、2つの出来事を繰り返して生きていきます。
それは、「思い通りになること」と「思い通りにならないこと」この2つです。この2つの出来事を日々受け入れ、どんな時でも、何回転んでも、立ち上がり、前を向いて、自分と他人に「喜ばれる。」そんな生き方ができますか?と試されているような気がいたします。
そして、私たちが帰る「家」というのはこの日々の心を少しでもリセットするものでなければならない。心を新たにし、日々送り出してくれる空間でなければならない。そんな強い思いを「ワーズの家」に込めております。
昔ドリフの「8時だよ!全員集合!」を家の茶の間で家族全員で見ていた記憶が、鮮明に蘇ってまいりました。当時小学生の私は、家族と共に茶の間を囲み8時になるのをワクワク楽しみにし、家族みんなで笑ったあの茶の間の時間がいかに本当に楽しかったのを思い出しました。今では、家に茶の間の概念はなくなりましたが、一時かもしれませんが、幼少期、家族みんなで楽しめる「家」の空間は本当に貴重でかけがえのないものなのだなと改めて実感いたしました。
今、私たちの唯一出来る事が、自分がかからない事、人にうつさない事、なのだと思います。どうか皆様やそのご家族共々健康に留意され、この困難を乗りきられますよう、スタッフ一同、心よりお祈り申し上げます。